ドナルド・トランプ新大統領とショウビズ界、対決の行方

ドナルド・トランプ大統領の誕生が現実のものとなり、アメリカではショービズ界も衝撃を受けているようです。開票中に生放送していたCBSの人気トークショウ番組ザ・レイトショウには、1988年から制作されている大統領選挙をテーマにしたドキュメンタリー映画のプロデューサーとレポーターがゲスト出演していたのですが、司会者のスティーブン・コルヴェアーが現在起きていることに匹敵する出来事がアメリカ史上起きたことがあるのか尋ねたところ、そのプロデューサは「今回トランプが大統領選に勝利すれば(生放送のこの時点ではまだ結果が出ていませんでした)、南北戦争、第二次大戦、9・11を除けばアメリカに起きた最大の惨事になるだろう」とコメントしていました。

打倒トランプで連帯したショービズ界

今回の大統領選挙では民主党も共和党も絶対的な本命候補者がいなかったうえに、ドナルド・トランプやバーニー・サンダースという強烈なキャラクターの候補者が多かったため、アメリカのコメディアン、コメディエンヌ達は全くネタに困らなかったと言っていいでしょう。

アメリカにとって不幸だったのは、いつか自然にいなくなるだろうと高を括っていた泡沫候補ぎりぎりの候補者たちが、予想を覆し最後の最後まで残ってしまったことです。

”レイジング・ボビー”、トランプにマジ切れする

ショウビズ界のトランプに対する敵対的な姿勢を語るうえで象徴的な存在となったのが、名優ロバート・デニーロでしょう。投票を呼び掛けるための公共CM用に撮影された表に出るはずのない映像で、デニーロが「(トランプを指して)奴の顔をぶん殴ってやりたい」などと怒りをぶちまける様子がリークされたました。

少し変わりものの名優ジョン・ヴォイド(アンジェリーナ・ジョリーから絶交された実の父親)がデニーロに批判的なコメントをした以外は、ショウビズ界全体でデニーロを支援していた様子でした。

アメリカを去っていく?セレブ達

また、7月にドナルド・トランプが共和党の指名を獲得した際には、もしドナルド・トランプが大統領になったらアメリカを出ていくと言い放っていたセレブが多数現れたことにも驚かされました。彼らがこれからどうするのか、おそらく1週間はこの話題で持ち切りとなることでしょう。(日本の芸能バラエティー番組も大喜びですね。)

アメリカを去っていくかもしれないセレブにはシェール、バーバラ・ストライザンド、Ne-Yo、ネーブ・キャンベル、サミュエル・L・ジャクソン、ウーピー・ゴールドバーグも含まれています。

「天使にラブソングを」のウーピー・ゴールドバーグ

気になる今後の行方

まさかドナルド・トランプが大統領になるとは誰も考えていなかったからこそ、ここまで悪ノリができたのでしょう。ただ、そのまさかが現実となってしまった今、ドナルド・トランプ新大統領と、ショウビズ業界がどのように手打ちをするのか、あるいはさらに対決姿勢が強まっていくのか、大いに注目されるところです。