「メラニアを救え!」ファースト・レディ、メラニア・トランプに人々が同情するわけ

予測不能の言動を繰り返すドナルド・トランプ大統領に全世界の注目が集まる一方、いまひとつ影が薄いファースト・レディ、メラニア・トランプ。夫ドナルドに対する世間の反発が一層厳しさを増すなか、ここ最近、どういうわけかメラニアに対する人々の同情が集まっています。今回はその事情についてご紹介します。

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トランプ大統領の「人間性」が現れた瞬間

大統領就任式の前に、伝統にならいオバマ大統領夫妻の招きでホワイトハウスを訪問したトランプ夫妻ですが、トランプのメラニアに対する仕打ちがあまりにも酷かったと話題になっています。

イギリスのオンライン・メディア、インディペンデントは、オバマ前大統領夫妻がジョージ・W・ブッシュ元大統領夫妻に招かれた際の映像を今回のトランプ大統領の映像と比較しています。

若い頃にニューヨークの社交界にデビューし、女性に対する礼儀作法を知らないはずがないトランプが、よりによって次期大統領としてホワイトハウスで現職大統領の出迎えを受けるという歴史的な場面で、醜態をさらしたのです。

この映像については、トランプの女性蔑視を物語っているという指摘がある一方、メラニアとトランプの夫婦仲が冷え切っているのではないか?という憶測を呼んでいます。

また、こちらの映像には、同じく大統領就任式当日にトランプと何事か会話を交わした直後のメラニアの悲し気な表情が捉えられています。

専門家が分析したトランプとメラニアの夫婦仲

インディペンデントはトランプ夫妻のこうした一連の行動をボディランゲージ研究の専門家に解説させています。

専門家によると、オバマ夫妻の出迎えを受けた際のトランプが、メラニアを置き去りにして自分だけオバマ大統領に歩み寄った後も彼女を気遣うことなく、ただ贈り物をオバマ夫妻に渡すよう命じている点をとりあげて、トランプ夫妻が夫婦としての一体感を失っている証しだと指摘しています。

また、就任式舞踏会での二人のダンス・シーンについては、トランプに手を握られたメラニアが夫の手を握り返していないことを指摘。メラニアがトランプと一緒にいることに不快感を感じていると推察しています。

こうした不仲説の真偽はともかく、現在のトランプ夫妻がかつてのように公の場でお互いに対する愛情を表さなくなったのは確かなようです。

ここでコスモポリタンのオンライン版に掲載された記事とCNNのラリー・キング・ライブのインタビューを基に、トランプとメラニアの出会いについて簡単に振り返って見たいと思います。

スロベニア人モデルがファースト・レディになるまで

トランプ大統領夫妻の馴れ初めは、トランプ自らが幾度となく複数のメディアに語ったことでアメリカ国民の間で広く知られています。

それは1998年のこと、あるスーパーモデルと交際中だったトランプがニューヨーク・ファッション・ウィークのパーティー会場でスロベニア出身のモデル、メラニアに一目ぼれしたことがきっかけとされています。

トランプは交際中の女性を言葉巧みに離席させると、その隙に自分の全てのオフィスと自宅の電話番号をメラニアに渡したとされています。メラニアは後のインタビューで「渡されたのがオフィスの電話番号だったら、トランプに関心を持たなかっただろう」とコメントしています。

なお、トランプの前の二人の妻達と同様、メラニアが卓越した知性の持ち主であることも良く知られています。「トランプとの結婚は資産目当てだったのでは」という世間の侮蔑的な扱いにも理知的に対応してきました。

2005年にニューヨーク大学で講演した際に、学生から「夫がお金持ちでなかったとしても結婚していたか」と聞かれたメラニアは、ウイットに富んだ笑みを浮かべて次のように答えたとされています。

もし、私が美しくなかったら彼は私とつき合っていたと思う?

なお、トランプとメラニアは過去に二度別れた経験があります。一度目の別れは1998年、結婚を誓っていたトランプが前妻二人と浮気したことが原因でした。また、その二年後の2000年には、大統領選出馬を目指すトランプがメラニアに別れを切り出しますが、数か月後にはよりを戻しています。

メラニアに集まりだした同情

自信に満ち溢れたメラニアですが、公の場では常に夫を立てることに徹してきました。大統領選挙中は、夫の度重なる暴言や過去の女性蔑視発言がやり玉にあがる度に夫を擁護した他、過去のセクハラ疑惑についてもきっぱりと否定しました。

そのようにトランプを支えてきたメラニアが、ついに大統領の座をつかんだ夫の晴れ舞台で見せた悲し気な表情が一部で憶測を呼んでいます。

その多くは、ついに自分の野望を叶えたトランプが自分を献身的に支え続けてきたメラニアを粗末に扱い始めたことを、メラニアが悲しんでいるのでは?というものです。

勢いが衰えない反トランプの波にも乗って「メラニアを救え」というスローガンを掲げた人たちの写真や、メラニアの境遇を揶揄したようなパロディ画像がネット上に出回るようになっています。

free melania, scott richard

メラニアが歩んできたファース・トレディへの道のりを考えれば、今頃は「現代版シンデレラ・ストーリー」としてメディアにもてはやされていたとしても不思議ではなかったと思います。

実際にはそのようにはなりませんでしたが、その理由のひとつは、15年以上前から報道されてきたトランプとメラニアの関係については多くのアメリカ国民がすでに知っているので新鮮味に欠ける、ということがあると思います。

そして何よりも、トランプ大統領の数々の高圧的な言動や悪化の一途をたどるメディアとの関係のせいで国民の関心がファースト・ファミリーに向かわないことがあげられると思います。

まとめ

見た目のイメージからは想像しにくいですが、メラニア・トランプはかなり古風な考え方の持ち主なようで、これまでは夫に対して献身的な姿勢を貫いてきました。

ただ、何事にも限度と言うものがあるはずです。

トランプとメラニアの夫婦関係の悪化が、トランプ政権の運営に影響を与える可能性はゼロではなと思います。一歩間違えば世界の運命を左右しかねないトランプ大統領夫妻の夫婦仲には今後も要注目です。

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