特許の国際出願件数 国別ランキングに見る日本の底力

日本がGDP世界第二位の座を中国に明け渡したのはいつだったか覚えていらっしゃいますか?正解は2010年、早いものであのニュースを聞いた問いからすでに7年が過ぎたのです。あの年、日本は42年間にわたり保ってきた世界第2位の経済大国の地位を中国に譲りました。(参照:日本経済新聞)ただ、今でも日本が世界第2位を維持しているランキングがあるのです。その一つが今回取り上げる特許の累積出願件数です。
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特許件数が世界第3位のアメリカの州とは?

コストに関する情報サイトのHow Much.comhttps://howmuch.net/)は、1977年から2015年までの累積特許件数を国の面積に置き換えた場合の世界地図を公開しました。

日本はアメリカに次ぐ第2位です。圧倒的な大きさのせいで、かえって日本を見つけられなかった方もおられるかもしれません。ちなみに国別の年間特許出願件数でも、日本は2003年から2015年までの11年間にわたり、アメリカに次ぐ世界第2位を維持しています。(参照:グローバル・ノート

なお日本の3倍近い累積特許件数を誇るアメリカは州別に表記されていますが、ハイテク産業が集まることで知られるカリフォルニア州の累積特許件数は世界ランク第3位のドイツをはるかに上回っています。(ニューヨーク州とテキサス州の累積特許件数も世界ランキング第4位の韓国を上回っています。)

国別累積特許件数

ちなみに、1977年から2015年までの国別累積特許件数ランキングは以下の通りとなっています。

1. アメリカ (3,030,080 )

2. 日本 (1,069,394 )

3. ドイツ (365,627)

4. 韓国 (166,353)

5. 台湾 (162,732)

6. イギリス (140,227)

7. フランス (139,866)

8. カナダ (123,904)

9. イタリア (62,148)

10. スイス (57,135)

人口1000人当たりの国別累積特許件数

これを人口1000人当たりの累積特許件数(1977年から2015年まで)に直すと次のランキングになります。北欧の2か国スウェーデン、フィンランドとイスラエル、カナダがランクインしています。

1. アメリカ (9.3)

2. 日本 (8.4)

3. 台湾 (6.9)

4. スイス (6.9)

5. スウェーデン (5.1)

6. ドイツ (4.5)

7. イスラエル (4.3)

8. フィンランド (4.2)

9. カナダ (3.5)

10. 韓国 (3.3)

気になるあの国の順位は?

さて、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが中国がベスト10以内にランクインしていません。2015年の時点では、中国は累積特許件数でイスラエルに次ぐ12位で、13位のフィンランドを上回っています。

アメリカや日本の累積特許件数は、中国をはじめ他の国々を大きく引き離していますが、残念ながら安心するのは早いようです。

年間の特許登録件数では、中国は過去7年間に渡りアメリカ、日本に次ぐ世界第3位を維持していますが、出願分野を人口知能などのハイテク分野に絞っていると言われています。ちなみに特許出願件数では2014年の実績で中国が92万8,000件と、米国の57万8,000件、日本の32万6,000件、韓国の21万件を大きく上回り世界第1位となっています。(参照:フォーブス日本版

まとめ

いかがでしたでしょうか?日本が未だに中国を上回る分野があるということで喜ぶのもつかの間、中国がものすごい勢いで、しかも的を絞って猛追してきていることにある種の恐怖感すら感じます。

経済面、軍事・外交面に加え技術面でも新しい秩序を打ち立てようとする中国の勢いが衰えることはもう無いのでしょうか?


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コメント

  1. とおりすがり より:

    テキサスは先進国のなかで、最も特許のルールが滅茶苦茶に破綻している地域で、特許による権限が逸脱している。裁判員制度じゃなく、陪審員制度だから、特許のなんたるかを全くしらない農家の人間が裁決してしまうため、世界のどこでも負けてしまう訴えが通ってしまう頭のおかしい地域。アメリカの特許訴訟の多くがテキサスで行われる所以でもある。だから特許の数が多くても、必ずしもいいというわけではない。