『リング』シリーズ12年ぶりの最新作『Rings』に対する海外の反応

『リング』シリーズと言えば、1998年の日本映画『リング』のハリウッド・リメイク版で2002年に公開された『The Ring』、2005年に公開された続編『The Ring 2』が成功を収め、「ジャパニーズ・ホラー」というジャンルを定着させるきっかけをつくりました。あれから12年の歳月を経た現在、シリーズ第3作目となる『Rings』が全米で公開されています。「ジャパニーズ・ホラー」の未来を託されたシリーズ最新作はアメリカでどのように受け止められたのでしょうか?

ビジネスリスクを上手に回避し、まずまずの興行収入

シリーズの最初の週末興行収入は、2002年のシリーズ第一作が1,500万ドル、2005年のシリーズ第二作が3,500万ドルだったのに対して、シリーズ最新作は2,800万ドルで、公開週週末の興行収入ランキング第二位の成績に終わりました。(一位はM・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』)

公開3週目にして週末興行収入ランキングは早くもベスト10圏外に去りましたが、アメリカ国外を合わせた累計興行収入は6,600万ドルに達し、製作費3,500万ドルはすでに回収されました。

3D映像化の取りやめと前2作に主演したナオミ・ワッツの降板に象徴されるように、製作費は前作の5,000万ドルを大幅に下回る3,500万ドルと一気に低予算化が進めらました。さらに、他のホラー映画との競合を避けて公開日を2度に渡り変更するなど、なりふり構わぬマーケティング戦術が功を奏したようです。

「13日の金曜日シリーズ」、「エルム街の悪夢シリーズ」のようなホラー作品シリーズは、今も昔も映画会社のドル箱です。したがって第四作目が製作される可能性は高いと思いますが、「リングシリーズ」の未来に陰を落としているのが、最新作に対する批評家やファンの酷評ですです。

支持率7%…悲惨な結果が出そろった批評家レビュー

シリーズ最新作のストーリーは、前2作から一新されています。あらすじは「一度見たら7日後に死ぬと言われているビデオ・テープを見てしまったボーイ・フレンドを救うために、謎を解明しようとした主人公の若い女性が、ビデオ・テープの映画の中にもう一つの映画があることを発見する」というものです。

アメリカの映画とドラマのレビュー・サイト Rotten Tomatoesでは、プロの批評家の平均スコアが10点満点で3.7点。平均スコアを上回る採点をした批評家は86人中たったの6人で、支持率は7%という史上最低レベルのロー・スコアを記録しました。

ここで、私が読んだレビューのうち、もっとも辛辣なものを抜粋してご紹介します。雑誌ローリングストーンのピーター・トラバース記者の記事です。彼の『Rings』に対するスコアは4点満点でなんと「0点」ということなのですが、いったいどこがお気に召さなかったのでしょうか?

もしクソ映画が観客を拷問したことに対して罰を与えることになったとしたら、この『Rings』は死刑に値する。

映画的睡眠導入剤の過剰摂取患者は、それ自体が機能していないホラー・ショーの中から別なホラーを取り出そうとするが、スペイン人監督F.ハビエル・グティエレスは無感動な時間を消費させること以外に、私たちに何かを喚起するつもりが無いようだ。

真面目な話、素材があそこまで創造性に富んでいるというのに、どうやったらあそこまで台無しにできるんだ?中田秀夫が監督した1998年の日本映画『リング』は、見た人間を皆殺しにしてしまうという呪われたビデオテープの話で、世界規模で観客を怖がらせたものだ。

そしてゴア・ヴァービンスキーが監督した2002年のアメリカ版リメイクは、オリジナルに忠実な作品に、必殺兵器のようなビデオテープを調査するテレビレポーター役のナオミ・ワッツという素晴らしオマケまで付けてくれた。

だいたい、ビデオの再生ボタンを押すと髪がよじれたお化け少女のサマラ(貞子のリメイク版)が出てきて、彼女を見ちゃうと1週間以内に死んじゃうって?すげえじゃないか!

数本のJ-ホラー(ジャパニーズ・ホラー)が続いた後で、偉大な中田監督自らハリウッドに行って、2005年の『リング2』でナオミ・ワッツを監督したけど、商品として視聴制限をPG13までに収めて作らないといけないというプレッシャーに縛られることになった。

それから12年後に、この値打ち物のシリーズをよみがえらせるチャンスが訪れたというわけだ。全くもって悪くないアイデアじゃないか。だというのに、このお試し撮りレベルの演出、脚本、演技によって一層お粗末さが強調されたやっつけ仕事は、一体何なんだ。

(一部抜粋して引用:ローリングストーン英語版

批評家レビューの総論と観客の反応

他のレビューにもいくつか目を通しましたが、どれも中田監督の日本のオリジナル作品や、ナオミ・ワッツが主演したリメイク第一作がいかに出来が良かったかを引き合いに出して、12年ぶりにスクリーンに戻ってきた最新作の出来の悪さを酷評し嘆き悲しむ、という論調のものが多かったようです。

ちなみにリメイク第一作に対する公開当時の評価ですが、Rotten Tomatoesのスコアは10点満点中6.6で、平均スコア以上を付けた批評家の割り合いも72%という高さでした。

なお最新作に対して比較的評価が高かったニューヨーク・タイムズ紙の記者は「リング・シリーズのファンだったら気に入るのではないか」と書いていましたが、Rotten Tomatoesに投稿した『Rings』を見終わった観客の平均スコアは5点満点で2.6点で、平均点以上のスコアをつけた観客の割合は30%に留まるという、これまた残念な評価に留まっています。

まとめ

アメリカの映画ファン、とりわけホラー映画ファンにはすっかり定着した「ジャパニーズ・ホラー」あるいは「J-ホラー」というジャンルは、観客を怖がらせる手法が独特なことで知られ「サイコロジカル(心理学的)・ホラー」などと呼ばれることもあります。

まだ観ていない段階で言うのは公平ではありませんが、最新作の酷評ぶりには日本の映画ファンとして残念な気がします。新しい映画の楽しみ方として人気を集めてきただけに、おそらく製作されるであろう次回作では本物の「ジャパニーズ・ホラー」復活を目指して頑張って欲しいところです。

(以上、参照;Rotten Tomatoes


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