世界中のビジネスパーソンが順守する英文ビジネス・メールの基本ルール

『英語は完ぺきではないが、仕事ができるプロ』と『英語は完璧だが、仕事のできないアマチュア』のどちらかと仕事をしなければならないとしたら、あなたはどちらを選びますか?

あなたの職場に英語のネイティブ・スピーカーがいたら、こんな質問をしてみてください。おそらくほとんどの人が『仕事ができるプロ』を選ぶはずです。『英語』のネイティブ・スピーカー
が職場にいなければ『英語』を『日本語』に置き換えて質問してみましょう。おそらく結果は同じだと思います。

今回は、英文ビジネス・メールをやりとりする相手に、あなたのことを「仕事ができるプロ」と認識してもらうために、あなたが守らなくてはいけない基本ルールを確認してみましょう。

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はじめに

ここで確認するのは、英語圏におけるビジネス・メールのマナーになります。ビジネス上のマナーを守ることは、時として英文法や単語のスペルの正確さを保つことよりも重要です。

なぜなら、あなたが送った英文ビジネス・メールがマナーに反したものだった場合、相手はあなたが本当にプロなのか、仕事ができる人物なのか、確信が持てなくなるからです。もし相手が仕事のできない人物だとわかったら、それは英語のスキル不足より遥かに深刻な、ビジネス上の障害となる可能性があります。

まずは英文ビジネス・メールの基本的なマナーをしっかり守って、あなたが取引相手としてふさわしい人物であることを相手に分かってもらいましょう。

書き出しと結びの挨拶

『礼に始まり礼に終わる』、これはユニバーサルなビジネス・マナーの鉄則です。書き出し(Greeting)と結び(Closing)の挨拶は絶対に忘れないでください。これがないと、相手はあなたのことを「自分の要求のみを通そうとする傲慢な人物」もしくは「全く教養がない人物」と見なすはずです。そうなると「英語力がある、なし」以前の問題になってしまいます。

書き出しについては、フォーマルな関係であれば、例えば”Dear Mr.Trump”、カジュアルな関係であれば”Hi, Donald”。のように始めてください。もしお互いにファーストネームで呼び合うような関係なら、フォーマルな表現に戻す必要はありません。

また、特定の個人に宛てたものでなければ、例えば”Dear Human Resources Department”のように部署名を使うか、“Dear Sir/Madam”という表現を使います。

簡単な自己紹介が必要になるケースがある場合は、できるだけ簡潔にあなたが誰なのかをまとめてください。例えば、

“My name is Shinzo Abe. We met at the Trump Tower in New York last November and discussed ways my company could help you promote your business in the trans-Pacific region.”

のような感じで良いと思います。

結びは、自分の名前の前に “Best regards”、 “Sincerely”、 “Thank you” を加えます。”Best wishes” や“Cheers”は相手との関係が相当親密なものでない限り避けたほうが無難です。

まずはメールをもらった御礼から

相手からのメールに返信しているのであれば、まずは相手に対する「ありがとう」の言葉から始めます。もし、相手があなたの会社の製品やサービスについて問い合わせてきたのであれば、“Thank you for contacting Trump corporation”というように始めてください。また、相手があなたの問い合わせに対して返信してくれたのであれば “Thank you for your prompt reply”といった言葉で感謝の気持ちを伝えます。

相手の表情がわからない非対面型のビジネス・コミュニケーションでは、相手の警戒心を解き、自分に対する信頼を獲得することがとても重要です。「ありがとう」の気持ちを伝えることは、それらを成し遂げるうえで最も簡単で効果的な方法です。世界中どこでも「ありがとう」と言われてうれしくない人は滅多にいません。「感謝の安売り」などと心配する必要はありません。むしろ機会をとらえて、感謝の気持ちを(不自然にならない程度に)連発しましょう。

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あなたの目的を明確化する

英文ビジネス・メールの基本中の基本ルールである二つの関門を通過したら、ここで満を持して本題に入ります。自分の要件をきちんと伝えることで、自分が相手に対して何を望んでいるのか明確にしなければなりません。

また、相手はできるだけ早くあなたの要件を確認したいと思っています。そこで、どこに要件が書かれているのか探しやすい文章にする必要があります。要件を切り出す際のお決まりの表現には、“I am writing to enquire about ”や“I am writing in reference to”などがあります。ここで下手に個性を発揮するよりも、こうしたお決まりの表現を使うようにしましょう。(これは文芸コンテストではなく、ビジネス・レターだということをお忘れなく。)

相手にお願いしたいことを明確化する

もし相手にお願いしたいことがあるのであれば、それをわかり易く記述します。私は常に箇条書きのスタイルを使っていました。そのほうが相手も自分もアクション・アイテムを確認しやすいためです。例えば以下のように箇条書きし、それぞれに期限を明記します。

1)Could you send me the files by Thursday?”
2)Could you fill in the attached form and return to me in the next two weeks?”

この方法なら、英語の読解力や英作文能力に不安があっても、取りこぼしを防ぐことができます。

締めのご挨拶として、再び御礼の言葉を述べる

最後に、これまでの、あるいはこれからの協力やサポートについて相手に「ありがとう」の気持ちを伝えます。ここで大切なのは、相手が自分に対して好印象を持ったままメールを読み終え、速やかに必要な対応をとってもらうように促すことです。代表的な表現は、以下の3つの文章です。

”Thank you for your patience and cooperation”
“If you have any questions or concerns, don’t hesitate to let me know”
“I look forward to hearing from you”

毎回同じような表現になってしまうと思いますが全く問題ありません。相手も凝った表現や美辞麗句を期待していません。大事なのは気持ちなのです。

そして文章の一番最後には、冒頭ご説明したClosingのあいさつと署名を添えます。

まとめ

最後に、英文ビジネス・メールの基本ルールをまとめます。

  1. 書き出しの挨拶
  2. メールをいただいたことへの御礼
  3. 目的の説明
  4. アクションアイテムのまとめ
  5. 今後の対応についての御礼
  6. 結びの挨拶

普段から英文ビジネス・メールをやり取りされている方ならお分かりかと思いますが、ほとんどの英文ビジネス・メールはこのルールにのっとってやりとりされているはずです。英文ビジネス・メールの具体的なサンプルを見ていただくと、さらに理解を深めていただけると思います。下のリンク先の記事で、英文ビジネス・メールのサンプル集掲載サイト(海外)を紹介しておりますので、ぜひご参考ください。

英文ビジネスメール・サバイバル「英文ビジネスメール例文サイト(海外)ベスト5」
英文ビジネスメールの例文が掲載されたおすすめの海外サイト・ベスト5をご紹介します。さらに、英文ビジネスメールを作成する際の注意点について、例文を用いて実践的にご説明します。

とは言え、付き合いが長くなってくると、簡単な挨拶と要件のみのメールが送られてくることもあります。私自身もそうした対応をした経験が無いとは言えませんが、あまりお勧めしません。

『親しきなかにも礼儀あり』の言葉通り、英文ビジネス・メールの基本的なマナーをきちんと守る関係を維持することで、お互いがプロとして敬意を払い、仕事上の緊張感を維持することができるからです。適度な緊張感が良い仕事につながり、その結果として取引も長期に渡り継続される。これが理想ではないでしょうか?

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