「バレンタイン・デーの起源は『縁結びのお祭り』だった?」世界各国のバレンタイン・デー事情

バレンタイン・デーの起源と世界各国のバレンタイン・デー事情についてご紹介します。バレンタイン・デーの他にも「カップルが愛を誓いあう日」をお祝いする国もあるようです。
Heart Shaped Box

バレンタイン・デーの起源は「縁結び」のお祭りだった?

最初にバレンタイン・デーのルーツについて、おさらいしておきましょう。

ローマ帝国では、2月14日は家庭と結婚の神・ユノの祝日、翌2月15日は、豊年を祈願するルペルカリア祭の始まる日でした。そのルペルカリア祭で行われていたのが、男女の縁結びです。

Camasei-lupercales-prado

祭りの前日、女性たちは自分の名前を書いた札を桶の中に入れておきます。すると祭りの当日、男性たちが桶から札を1枚引いて、あっという間にカップル成立。祭りの期間中は一緒に過ごすことを強制された男女の多くはそのまま恋に落ち、結婚したそうです。

この「ローマ式強制合コン」とも言うべきルペルカリア祭に「キリスト教的カバーストーリー(?)」を加えてできあがったのが、バレンタイン・デーの始まりと言えそうです。

神話の始まり・愛のために立ち上がった聖バレンタイン

ローマ皇帝クラウディウス2世は、士気の低下をおそれて兵士たちの結婚を禁止しました。そこで、愛のために圧政に立ち向かったのが聖ウァレンティヌスとされています。皇帝に背いて恋人たちの結婚式を執り行った聖ウァレンティヌスはやがて捕らえられ、西暦269年2月14日に処刑されたと伝えられています。その聖バレンティヌを祝って行われたのが現在のバレンタイン・デーというわけです。

この物語が真実なのか、それとも縁結びのお祭りを神聖化するための脚色だったのか、議論が分かれるところです。

ちなみに今や世界各国で行われているバレンタイン・デーですが、日本を含む東アジアの一部の国を除き、男性が女性に対して愛を誓う日とされています。それでは早速世界各国のバレンタイン・デー事情を覗いてみましょう。

アルゼンチン

アルゼンチンでは、バレンタイン・デーのほかに、新年早々1月の第1週に愛をテーマにした『La Semana de la Dulzura』というイベントがあります。キャンデーやチョコを渡すと、相手からお返しにキスしてもらえるという、なんともラテン国家らしいイベントです。

実はこのイベント、日本のバレンタイン・デーと同様お菓子メーカーのキャンペーンとして1989年に始まったもので、それ以降、この時期のチョコレートの売り上げを20%ほど押し上げているそうです。

中国

中国では、2月14日のバレンタイン・デーのほかに、カップル同士が愛を誓う日として七夕(旧暦の7月7日)が定着しています。日本でもおなじみの織姫と彦星の物語が由来となっていますが、バレンタイン・デーの影響もあって商業化が進んでいるようです。

Niulang and Zhinv (Long Corridor)

ちなみに織姫と彦星は夫婦で既に子供もいるのですが、日本では恋人同士というイメージをお持ちの方も少なくないようです。

デンマーク

デンマークにバレンタインデーが紹介されたのは、意外に遅く90年代前半で、しかもアメリカ文化として紹介されたようです。(参照:デンマーク外務省WEBサイト)とは言え、デンマーク独自のスタイルもしっかり取り入れているようです。

Gækkebrev 2

例えばこちらの「ゲッケブレウ」というイースターをお祝いするポスト・カードです。送り主が伏せられたまま届くので、受け取った人はカードに書かれた詩や韻を踏んだ謎解きをもとに送り主を推理し、当たればイースター・エッグがもらえるという、ゲームの一部になっているのです。

この「ゲッケブレウ」をバレンタイン・カードとして使うカップルもいるということなのですが、送り主が誰か推理が外れてしまった場合、恋の行方はどうなってしまうのか、ちょっと心配になります。

南アフリカ

ローマ帝国時代は、縁結びのお祭りだったバレンタイン・デー。その伝統を引き継いでいる国、それが南アフリカです。南アフリカの女性は、バレンタイン・デーに意中の男性の名前を書いたハート型のパッチワークを袖に縫い付け、相手が見つけてくれるのを待ちます。女性から男性に告白するという点では、日本のバレンタイン・デーと同じですね。

HEART SLEEVE

日本のバレンタイン・デーと違うのは、自分の好きな人を周囲の人たちに知られてしまうことでしょうか。

スペイン

スペインのバレンシア地方に暮らす皆さんにとって、1年でもっともロマンチックな日と言えば10月9日のバレンシアの日です。愛の守護神とされる聖ディオニシウスを祝うこの日、男性は野菜や果物を模したマジパン(アーモンドの粉末と砂糖で作った一口大の練り菓子)をスカーフに包んで愛する女性に贈る日とされています。

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さらに、スペインのカタルーニャ地方にも、聖ゲオルギオスを祝うサン・ジョルディの日というロマンチックな一日があります。愛する人に赤いバラと本を贈る日で、以前に日本にも紹介されましたがこれまでのところ定着するには至っていないようです。

ルーマニア

ルーマニアにバレンタイン・デーが紹介されたのは共産主義体制が崩壊した90年代以降ですが、定着するのに時間がかかりました。というのも、ルーマニアには伝統的な「愛しい人々の祭日」ドラゴベテが2月24日に行われてきたからです。愛を確かめ合う日であるとともに、春の訪れを祝う日とされていて、男性から女性にスノードロップという花を贈る習慣があります。

Dragobetele

若者の欧米文化への憧れもありバレンタイン・デー人気に押され気味だったドラゴベテですが、このところ、ルーマニア文化見直しの機運に後押しされる形で、素朴なドラゴベテの人気が再び高まりつつあるようです。

フィリピン

キリスト教徒が全人口の90パーセントを占めるフィリピンでは、バレンタイン・デーも欧米スタイルがすっかり定着しています。フィリピンのバレンタイン・デーの最大の特徴は、とにかくこの日に結婚式をあげるカップルが多いことでしょう。

Solemn

一日で1000組以上が挙式することも珍しくないようで、政府主催の合同結婚式が行われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?日本のバレンタイ・デーはユニークな進化を遂げてきましたが、他国のバレンタイン・デー事情を見ると、何も日本だけが特異なわけでは無い事が分かります。また、欧米の商業化されたバレンタイン・デーを受け入れながらも、各国独自の伝統文化に根差した行事がきちんと残されていることをうれしく思いました。

皆さんはどのようなご感想をお持ちになりましたでしょうか?

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