河津桜、見に行く価値は本当にあるのか?

伊豆半島の南端に位置する静岡県河津町で行われる巨大イベント河津町桜まつり。2月上旬から3月上旬にかけて開花する河津桜約8,000本を見るために、毎年約80万人もの人々が人口7,600人余りの自然豊かな小さな町を訪れます。

「河津桜って本当に見に行く価値あるの?」

首都圏在住の友人達から毎年のように聞かれる質問です。南伊豆へのドライブを前に友人たちを足踏みさせているものは、悪名高い渋滞に違いありません。果たして渋滞に巻き込まれるのを覚悟してまで、河津桜を見に行く価値はあるのでしょうか?その答えを出す前に、まず河津桜の魅力について整理してみましょう。

「日本の春」のイメージを具現化する河津桜

すでに全国的な知名度を得た河津桜。その魅力は早咲きだけではありません。河津桜の価値を高めている最大の特色は、ずばりその色彩美でしょう。

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「伊豆の踊子」で有名な天木連山の深い緑、河津桜のやや濃い目のピンク、時を同じくして満開となる菜の花の黄色。この3色が織りなす色彩美は、美しい日本の春のイメージそのものです。好天に恵まれれば、桜の木々の向こうに清流・河津川の輝く水面を見ることができるはずです。その現実離れした美しさは、まるで日本昔話の絵本の中に迷い込んだような気分にさせてくれます。

minami izu kawazu cherry みなみの桜と菜の花まつり 2013

特に写真を撮るのがお好きな方には、一味違う桜の作品をものにできるチャンスだと思います。カメラを片手にベスト・ポジションを探して散策しているうちに、あっという間に時間が過ぎていくことでしょう。

また、かなりの高い確率で桜の周辺を飛ぶメジロを間近に見ることができます。色鮮やかな緑色の小鳥がピンクの桜の海を飛び回る様子はいつまで眺めていても飽きることがありません。

KAWAZU SAKURA

河津桜を100%満喫するための絶対条件

さて、これらの色彩美を心ゆくまで楽しむためには、ひとつだけ条件があります。それは河津桜の感動を木っ端みじんにぶち壊してしまうアレ、そう渋滞を避けなければなりません。(渋滞を「覚悟する」のではなく、「避ける」のがポイントです。)そのためには現地到着時間を朝7時台に設定することを強くお勧めします。

2月上旬の日の出時刻午前6時30分から、人手が多くなりだす午前8時30分ごろまでの時間帯こそが、河津桜を楽しむためのプライムタイムです。このプライムタイムが過ぎると、あっというまに人が多くなり、河津川両岸の土手にある遊歩道で立ち止まって記念写真を撮るのも困難な状況になります。

Kawazu river with its famous cherry blossoms

渋滞は絶対回避

都心からマイカーで出かける場合、伊豆半島の南端に位置する河津町までは約3時間(東京→厚木→熱海経由)、渋滞時にはその倍以上の時間がかかります。午前7時台現地到着を目指すことは簡単ではないと思いますが、桜まつり開催期間中の河津町周辺の渋滞は、しりとり合戦や対向車ナンバーあてクイズ程度でやり過ごすことのできるような生易しいものではないということをぜひ理解してください。

数年前、この渋滞を甘く見た私は、桜祭り会場にたどり着けず泣く泣く引き返すという苦い経験をしました。その翌年、雪辱を果たすべく午前5時ごろに沼津を出発した私と妻は、天城経由ルートで午前7時30分前には河津桜祭り実行本部が置かれている河津桜観光交流館という建物付近の駐車場に到着しました。

なお、朝早いと係員が未だ到着していませんが、そのまま駐車場に車を止めることができます。車に戻ると、車のワイパーに料金のお知らせの紙が挟んであるので、それを係の人に見せて料金を払います。(1日500円)

その後は、午前9時少し前までの約1時間30分の間、人もまばらな遊歩道を歩きながら、思う存分河津桜を楽しむことが出来ました。

この早朝プランの難点をあえてあげるとすれば、遊歩道沿いのほとんどのお店や屋台がまだ開店前ということかもしれません。ただ、下田方面や伊東方面といった次の目的地に早めに移動できるので、開店直後の人気レストランで待たずにランチを楽しむことも可能だと思います。

河津桜、納得の価値

さて、冒頭の友人たちからの質問「河津桜、見に行く価値は本当にあるのか?」についてですが、もうあらためて答えを述べる必要もありませんよね。もちろん、渋滞さえ避ければ、その価値は大いにあります。

なお、沼津・天城経由のドライブルートですが、ワインディングロードが続く場所もあるので、運転にはそこそこ神経を使います。早朝に出発するのが大変な場合は、無理せずに、下田や南伊豆の温泉地に一泊し、夜は夜桜見物、翌朝に桜見物というプランをお勧めします。このプランなら、河津までの移動手段として電車を利用することを検討してもよいでしょう。(ただし、翌朝のプライムタイムに桜祭り会場まで移動する手段を確保する必要があります。)

ちなみに夜桜については、照明効果が不十分という評価もあるようです。とにかく会場周辺は何もない場所なので、効果的にライトアップするのはなかなか難しいのかもしれません。

Night Cherry Blossoms and Shooting Stars Festival

夜は温泉に入ってから食事をゆっくり楽しみたいという方は、日本一の夕日が見れる場所として名高い南伊豆町に足を延ばしても良いかもしれません。私は弓ヶ浜温泉に宿泊しましたが大満足でした。

Yumigahama Beach Sunrise

まとめ

いかがでしたでしょうか?もう迷う必要はありません。渋滞や混雑をスマートに回避して、日本の春の原風景、河津桜の美しさを思う存分ご堪能ください!


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