「ネイティブなみ」を目指さない英語。この人たちを見よ!~ビジネス編

英語は目的を達成するための手段、道具です。いわゆるビジネス英語の習得で目指すのは、ネイティブのような発音や言い回しではなく、話しの中味を分かりやすく伝えるための必要最低限の技術です。今回はビジネス英語のマスターと呼ぶにふさわしい皆さんをご紹介します。

Mr. Akio Toyoda

南波智子

最初に「ネイティブなみの英語」のベンチマークとして、株式会社ディー・エヌ・エーの創業者で現取締役会長の南波智子さんのビデオをご覧ください。彼女はアメリカの大学のMBA・経営学修士(ハーバード大学)をお持ちです。

圧倒的英語力ですね。ただ、英語で仕事をするうえで、彼女のような「ネイティブなみの英語」を目指す必要はないと思います。

それでは、あらためて、ビジネスで英語を使う際に目標とすべき皆さんをご紹介します。

盛田昭雄

ソニーの2人の創業者のうちの1人、盛田昭雄さんです。私は、英語で仕事をする日本人のお手本は盛田昭雄さんだと思っています。

言いたいことを相手に伝えるために、万国共通の価値観や概念をうまく利用しています。例えば、日本の終身雇用制度について説明する際は、日本文化に関する知識を相手にインプットするのではなく、「日本では社員にとって会社は家族」というシンプルなフレーズを用いて、短時間で相手と概念を共有しようとしています。

相手に自分の考えを理解してもらうには、自分の知っている英単語やフレーズをどんなふうに組み合わせて使えば効果的なのか、よく理解されているのだと思います。

手持ちの道具の使い方も良くわかっていないのに、次から次へと新しい道具を買い足しても結局使いものにならないと思います。まずは手持ちの道具を使いこなすことが大切ではないでしょうか。

なお、ありがたいことに、盛田昭雄さんの英語のインタビューはネット上にたくさんあるので、彼をお手本にしたい皆さんは教材に困らないと思います。

中村史郎

日産自動車の専務執行役員でカーデザイナーの中村史郎さんです。

この動画を見ると、デザイナーの中村史郎さんが概念を共有するための道具として英語を使いこなしてこられたことが良く伝わってきます。

マーケットの拡大により、これまでに増してユーザーの好みに合ったカーデザインが求められている。そうした状況に対応するためにも、デザイナーは好奇心を持たなければならない、というロジックには説得力がありますし、余計な補足説明も不要です。

ビジネス英語講座ではなかなか教えてくれないと思いますが、細かい文法的なエラーや発音よりも、話の中味のほうがよほど重要なのです。

豊田章夫

最後にご紹介するのは、トヨタ自動車社長の豊田章夫さんの英語です。彼もアメリカの大学のMBA・経営学修士(バブソン大学)をお持ちです。

ヨーロッパの記者の質問に答えているこちらのビデオですが、受け答えには余裕が感じられます。文法上のエラーが複数ありますが、話しの中味には何の影響も及ぼしていません。

文法の誤りを気にしながら話すと、話しの中味に自信が無いと疑われてしまいます。ビジネス上は、文法の間違いとは比較にならないような深刻な事態を招きかねません。豊田社長のように堂々と笑顔で話せば、彼だけでなくトヨタ自動車全体に対する信頼感がアップします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最初にご紹介したディー・エヌ・エーの南波会長のお話は、目標設定は現実的で手が届きそうなものにすべきだという内容でした。冒頭にお伝えしたように、ネイティブなみの英語力ですが、お話も面白いし全くスキがありません。

ただ、繰り返しになりますが、職場で英語を使うのにネイティブ並みの英語力を身に付ける必要はありません。そのことは南波会長以外の御三方の英語を聞けば明らかだと思います。

「ビジネス英語」という日本以外ではあまり耳にしないカテゴリーにこだわりすぎて、お金と時間を無駄にしないようにご注意ください。

「英語学習という名の大海原」で溺れないために知っておくべきこと
英語教育に時間とお金を注いでも、いっこうに成果が上がらないとされる日本人の英語力。果たして本当でしょうか?英語が決して流ちょうとは言えない日本人が国際舞台で大活躍しているのはなぜでしょうか?「英語ができない日本人」という自己評価は「ゴールの不在」が原因ではないでしょうか。


ビジネス英語 ブログランキングへ

スポンサーリンク
336X280
336X280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事広告