英文ビジネスメール・サバイバル『英文ビジネスメールでやってはいけない6つのこと』

ビジネスメールを送信した後で「しまった!」とか「あんなこと書いて誤解されるかな…」などと後悔した経験は、誰でも1度や2度はあるのではないでしょうか。今回は英文ビジネスメールでやってはいけない項目をまとめてみます。
Frustrated

はじめに~誰も気にしないあなたの英語力

あなたの英文メールを受け取った外国人は、英語が母国語ではないあなたの英語力をどんな風に評価するのでしょうか?

ご安心ください。おそらく誰もあなたの英語を気にしないでしょう。少なくとも初めのうちは…。なぜなら、相手はあなたが英語ができるに違いないと思っていますし、それはあなたの会社が「英語ができない人物を担当させるはずがない」と考えるからです。(顧客に近いセクションであればなおさらです。)

英語を使って仕事をしている人の母国語が英語でないことは少しも珍しいことではありませんし、相手のメールに文法上のミスが見つかることもよくあることです。(それは英語のネイティブ・スピーカーからのメールも例外ではありません。)

そうしたミスをしても、コミュニケーションに支障が無い限り問題になることはまずありませんが、それが妨げられるような事態が続けば、相手はあなたの英語力、というよりもコミュニケーション能力に問題がある人物を担当させているあなたの会社に対して悪い印象を持つはずです。

そのような事態を避けるためには、あなたの英語力を適切に評価できる上司(同僚や部下ではだめです)が職場にいる必要があります。もし、不幸にしてそうした人物がいないまま英語でビジネスメールをやり取りすることになった場合に、必ず注意しなければいけないことがあります。

英語で背伸びしない

それは、決して英語で背伸びをしない、つまり実力以上に英語ができるような振りをしないことです。相手のメールの意味がわからなければ、分ったふりをせずに質問しましょう。(相手の表現方法に問題があることも少なくありません。)また例文集を丸ごとコピペするのではなく、できるだけ自分の英語力の範囲内でコミュニケーションするよう心掛けましょう。

なぜなら、相手にあなたの今の英語力(文章力)を理解してもらったほうがあなたにとって「得」だからです。もし、あなたが英語でミスをしたとしても、相手があなたに対して抱く印象自体が損なわれることはありません。

例えば、敬語も含めほぼ完ぺきな日本語でメールのやり取りをしていた相手から、突然「おまえもどうぞご参加ください」とか「次回から対応してあげます」などとメールが送られてきたらどんな印象を持ちますか?

日本語でも英語でも、たどたどしい言葉使いでビジネスメールをやり取りすることは決して理想的な状態とは言えませんが、英語ごときのために過度にプレッシャーを感じる必要はありません。先ほども述べたように相手が不信感を抱いたとしても、それはあなたの英語に対してではなく、あなたを担当者として配置したあなたの会社に対する不信感なのです。

勉強を重ねて英語のスキルアップすることは、あなた自身のためにも大切ですが、無理せずに出来る範囲内で仕事をこなしましょう。

Man Typing Whilst Doing Business At A Coffee Shop

相手の名前、会社名を間違えない

これは基本中の基本ですが、英文の場合ミスをおかしやすいので注意が必要です。送信する前にメール・アプリケーションのスペルチェック機能使っていても、固有名詞のスペルミスは判定されません。

スペルチェックに十分な時間が確保できない場合は、送信を見合わせるか、あらためて返信する旨の短い文章に差し替えて送信すべきです。(どうしても送信する必要がる場合は、相手の名前と会社名だけでもチェックしましょう。)

できるかぎりフォーマルに

やり取りを重ねていると、次第に表現がカジュアルになりがちです。日本語には敬語があるのでフォーマルとカジュアルの区別を意識しやすいのですが、英語の場合は境界線が引きにくくなります。まずは、敬称の使い方や、文章の構成の仕方をマスターしましょう。

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略語については全てがNGというわけではありませんが、ネット上の海外掲示板やYoutubeのコメント欄などでよく目にする”lol”、”thx”などはカジュアルすぎるためビジネスメールでは使うべきではありません。また、フレンドリーな雰囲気を演出するために”hahaha”とか”:)”などの絵文字を使うことも止めましょう。

長いメールは絶対に避ける

日本語でも英語でも同じですが、たとえ伝える必要がある重要な内容であったとしても、長文メールは避けるべきです。読み飛ばされることで重要なポイントが正しく伝わらなかったり、相手の時間を軽視していると受け取られ相手の気分を損ねてしまう可能性もあります。これは海外でも広く浸透している常識です。

日本でも、この常識を無視したメールを受け取ると「えっ、何ごと!?」と一瞬ドキッとしますが、それは外国人も同じです。感情や表情が伝わらないメールというやっかいなコミュニケーション・ツールを使おうというのに、長いメールを送り付けて相手の感情を乱し、意思疎通のハードルを自ら引き上げるのはスマートな方法ではありません。

Assistant Secretary Evan Ryan Meets with Office of English Language Programs, Regional Language Officers and Locally Employed Staff

微妙な(デリケートな)内容

間違って解釈されると困るような微妙な(デリケートな)内容の英文ビジネスメールを送るのは避けましょう。相手の表情を確認できない状態で、そのようなメールのやり取りをすべきでないということは海外でも常識です。誤解を避けようと文例集を頼りに表現をこねくり回しても、それに感づいた相手に読み飛ばされてしまうだけですし、かえって警戒心を増幅させてしまいます。

メールのやり取りがきっかけでこじれた関係を修復するのはかなり大変ですし、相手が海外にいる外国人であれば、修復にはさらに時間がかかります。微妙な(デリケートな)内容についてやり取りする際は、たとえ言葉に不安があったとしても、直接会って話すのがベストです。それができない場合は、ビデオ会議システムやスカイプ、あるいは電話を使うことを強くお勧めします。

露骨なコピペは命取り

毎年決まって同じ文章を作成する必要がある場合、同じ文章をコピペする人は少なくありません。ましてや英文となればなおさらでしょう。仕事の効率を上げるためにも定型フォームを準備すること自体は悪いことではありませんが、コピペしたことがわかるような長すぎる文章は避けるべきです。

読み飛ばされてしまったり、転送を重ねる過程で意図が誤解されたり、紛失されてしまうケースもあります。メールに記載する内容は、強調すべきポイントのみに絞り、添付書類にするかオンライン上に保管するなどのやり方が海外でも一般的です。

また、顧客対応に関する内容の場合、過去の案件に対応した際の文章をコピペするのは避けましょう。かなり練られた文章の場合、文章表現と実際の状況にズレが生じ、かえって事態をこじらせてしまう原因となるリスクがあります。また英語の面でも、返信する際の文章とギャップが生じてしまうと相手に不信感を抱かせてしまいます。

どうしてもコピペが必要な場合は、固有名詞や日付などを含め文書に矛盾がないかチェックすることはもちろん、フォントのサイズや色が揃っているか必ず確認しましょう。
Lovely office worker with a bright smile.

まとめ

いかがでしょうか?ビジネス上の微妙な(デリケートな)内容をやり取りするのにメールほど不適切なツールは無いというのが、英語を使って20年以上仕事をしてきた私の結論です。

後で後悔するくらいなら、早起きするか残業して(相手の協力も必要です)スカイプや電話でコミュニケーションしましょう。その後のメールのコミュニケーション効率も大きく改善されるはずですし、一石二鳥です。

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