知識検索サービスQuora(クオーラ)Yahoo知恵袋との違い

知識検索サービスQuora(クオーラ)をご存知でしょうか?Yahoo!知恵袋のようなインターネット上のQ&Aサイトなのですが、ひとつだけ大きく異なる点があります。回答者が実名や略歴を公表した上で質問に答えているのです。

Group of happy business people clapping their hands

知識検索サイトQuoraの概要

まずQ&AサイトQuoraの概要を簡単にまとめておきましょう。

  • かつてFacebookに勤務していたアダム・ディアンジェロとチャーリー・シーヴァーとの共同で2009年6月に設立された。
  • 米国Quora, Inc.が開発・運営するQ&Aサイト、知識検索サービス。
  • 実名登録、質問や回答も実名。
  • 良質な回答は評価される。高評価のアカウントを中心にコミュニティが形成される。

Quora logo 2015.svg
By Commercial Type (by Paul Barnes and Christian Schwartz) for Quorahttp://quora.com, Public Domain, Link

実名を公表する必要があるという点を除けば、Yahoo知恵袋と仕組み上は大きな違いは無いと思います。ただ、実名公表というルールは、一見似通っているこの二つのサービスを全く別なものにしてしまうほどのインパクトがあると思います。

実名公開のメリット

ディアンジェロは、自身とシーヴァーがQuoraを立ち上げた理由を以下のように説明しています。

インターネット上ではどの分野だろうと疑問や答えが大量のサイトにあると考えたけど、未だに誰かが主導して本当に良かったものを構築する人が居なかったから

やはり実名公表の最大の効果は、信頼性が飛躍的に向上することでしょう。質問する方も、回答する方も真剣にならざるを得ないからです。

実名の他に、自分のプロフィール(職歴や学歴)を公開しているユーザーが多いことも特筆すべきポイントです。質問に対して自分が持っている専門性を明らかにし、自分が回答するのにふさわしいことを訴えかけているのです。

なお、QuoraもYahoo知恵袋も、満足度の高い回答を提供できればコミュニティ内の評価が高まるわけですが。実名を公表してるQuoraの場合は、さらにそれが実利的な価値につながるのです。Quoraの回答者として企業経営者や著名人が参加している理由もそこにあるのでしょう。

ここでQ&Aの実例をご紹介したいと思います。質問は英語学習に関するものです。

「下手な英語を話すノン・ネイティブスピーカー」に対する最も支持を受けたアドバイス!

まず、質問の方ですが以下のような内容です。

ネイティブ・スピーカーとして、外国人が下手な英語を話すのが憎いですか?私は自分の英語に満足していません。私みたいな人たちのことをどう思いますか?私たちって間抜けですか?もっと勉強が必要ですか?

この質問に対して、大学の教員、企業経営者、主婦など100件以上の回答が全て実名で寄せられています。この中で最も高い支持を受けたのが以下の回答です。回答者はオラクルに勤務するタイ系アメリカ人女性で、夫と二人暮らしをされているようです。

ちょっと長くなってしまいますが、回答を翻訳して掲載してみます。

Cloud Solutions - Creative Commons

まず最初に「憎い」とう言葉はきついので、「きらい」という言葉を使うべきです。

私は訛りのある英語、文法が不正確な英語、完璧なアメリカ英語でない英語が嫌いではありません。私が嫌いになるとしたら、それは改善するための勉強を疎かにするような個人の性格に対してであって、話し方に対しではありません。

あなたが誠実でいる限り、周囲の人は辛抱強く、あなたを正しく導くためにできる限り支援すべきです。今はいろんなメディアによってもたらされたお粗末な文法のせいで、アメリカ英語はどぶに捨てられてしまったかようなじょうきょう

広告、トークショー番組の司会者、それにごく普通の人たち、彼らは全くチェックされていない文法を使い、あまりにも多くの一般的な過ちを犯しています。

それはずさんで悲しむべきことですが、誰しもが文法に強いわけじゃないということを常に覚えておくべきでしょう。物事は単純化の方向に向かっていることは分かっていますが、でもそれは悲しいことです。中国漢字の簡易体やハングル文字がその例と言えるでしょう。文法が変更されたのかどうかは分らないですが。

さて、あなたの英語ですが、すでにある程度意思疎通ができるなら良い方向に進んでいると思います。文法を改善するために頑張ってほしいと思いますが、いろんな人からそれを教わろうとすると、残念ながら不正確な文法やスペルが身についてしまうということを覚えておいた方がいいと思います。

そんな風に言葉を学ぶのは他の国々でも普通じゃないでしょう。タイにいる私の家族は教育も受けましたし、スペルも正確です。(インターネットスラングの影響を受けていない言葉です。)基本的な言葉のスぺルミスならネット上でよく見かけますよね。(私も見直さないとよくミススペルをする方だと思います。)タイ語には同じような発音の子音がたくさんあるので、使い方を覚えておくのは大変です。

ちょっと主題をそれてしまったけど、主な要点は次の通りです。;

質問に対する答えは、いいえ、外国人が英語をうまく話せなくても、それを嫌ったりはしません。むしろ取り組みを評価していと思います。

無能で(単純なレベルのものでさえ)正しい文法の使い方を気にしないネイティブスピーカーのほうがよほどフラストレーションを感じます。 心配すべきじゃないと思います。引き続き頑張ってください。(引用:Quora )

まとめ

いかがでしたでしょうか?あくまでも一例ですが、大げさではなく、ほとんどこうした品質の回答が続々と、しかも短時間で100件以上も寄せられているのです。

ひとつ気になる点があるとすれば、回答者の女性の職場環境です。献身的な文章をこれほど短時間で仕上げるための職場環境にいないと、活動に参加できないサービスなのかもしれません。


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