歴史的な結末で幕を閉じた第89回アカデミー賞受賞式から一夜明け、いくつかアップデートがありました。なお下の写真を見ると、エマ・ストーンはオスカー像と一緒に例の封筒をしっかり持っています。
司会者ジョー・キンメルが語る舞台裏
ABCテレビで平日夜11時35分から放送されているジミー・キンメル・ライブは、第89回のアカデミー賞で司会を務めたジミー・キンメルが2003年から司会を務める人気トーク・ショウ番組です。
アメリカ現地時間1月27日月曜日の放送は、キンメルの『気がついたかわからないけど、昨日オスカーの司会をしてたんだよ。』というギャグで始まりました。
早くも「アカデミー賞史上最悪」と言われ始めたあの事件の話題で、番組をスタートさせたキンメル。彼が明かした裏話は以下のような内容でした。
- (大ヒットしたテレビ・ドラマシリーズの)『ロスト』の最終回並みの奇妙な終わり方だった最後以外は上手くいっていたし楽しかった。
- ボニー&クライド役のフェイ・ダナウェイとウォーレン・ベイティは『俺たちに明日は無い』公開50周年を記念して作品賞のプレゼンターを務めた。
- キンメルは、作品賞のプレゼンテーションを観客席のマット・デイモンと一緒に見るという演出だった。ステージマネージャーが舞台に出て行ったので何か間違いがあったとわかった。舞台上に司会者の姿を探したが、自分だったことに気づき(笑)ステージに上がった。
- ステージ上で2つの映画の関係者が入り乱れた。司会者として申し訳なかったが、正直に言うと笑いをこらえるのに必死だった。(笑)
- 観客席の最前列に座っていたデンゼル・ワシントンが『ムーンライト』の監督にスピーチするように指示していた。
- 『ラ・ラ・ランド』のプロデューサーは良い人だった。
- 授賞式が終わって楽屋に戻りウォーレン・ベイティから”エマ・ストーン ラ・ラ・ランド”と書かれたカードの現物を見せてもらった。同じころエマ・ストーンは記者会見でカードは自分で持っていたと話していた。つまりカードは万が一の混乱に備えて予備も合わせて二枚あったわけだが、それ自体が混乱の原因となった。(笑)
- ウォーレン・ベイティは何も悪くなかった。その後、ベイティと一緒に質問を受けていたが、フェイ・ダナウェイはとっとと先に帰ってしまっていた。さすがボニー!逃げ足が速くスマートだ(笑)
ライアン・ゴスリングと一緒にいた女性は誰だ?
作品賞の混乱以外で話題になっていたのは、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングと一緒にいた女性です。
She had everyone talking, but who was Ryan Gosling’s mystery #Oscars date? https://t.co/0tfQRxUPAh pic.twitter.com/Cf3t5ikLSr
— The Sun (@TheSun) 2017年2月28日
ライアン・ゴズリングは女優のエバ・メンデスと2011年に結婚していますが、プライバシーを大切にする彼らは、滅多に公の場に2人で現れないことで知られています。
さて、ゴズリングと一緒にいたこの女性の正体ですが、音楽プロデューザーをしているゴズリングの姉のミンディということがわかりました。2人は子供のころから一緒にダンス・コンテストに出場するなど仲がいいことで知られていて、過去にも公の場に何度も二人で現れていたのですが、今回はあまりにも大胆なドレス姿にゴズリングのファンもミンディだと気付かなかったようです。
Who is the lady Ryan Gosling brought as his date? #Oscars
— Casey Cipriani (@CaseyCip) 2017年2月27日
Who is sitting next to Ryan Gosling?? Is it his date or a seat filler? Seriously. I want to know. #OscarsOnKOMO
— Mary Nam (@Mary_Nam) 2017年2月27日
The woman sitting next to Ryan Gosling is his sister. You’re welcome Twitter. #Oscars pic.twitter.com/8aFoZNagRW
— Dema Hanna (@DemaHanna) 2017年2月27日
実はまだあった重大ミス
ツイッターのトレンド・ワードにもなった『封筒』の他にも、実は重大な過ちがあったことが発覚しました。毎年恒例になっている一年間に亡くなった映画関係者を追悼するコーナー「イン・メモリアム」をテレビで見ていたコメディアンのビリー・エイチュナーは、映像に間違いを見つけたら連絡するようにツイッターで呼びかけました。
すると、オーストラリア在住の映画プロデューサーから、亡くなったコスチューム・デザイナーの写真に自分の写真が使われている、との連絡があったのです。
表舞台の俳優や監督だけでなく、裏方のスタッフにも敬意を払うというアカデミー賞の基本理念が反映されたコーナーだけに、とても残念でした。
まとめ
今回の授賞式をテレビで見た視聴者の数は、前回に比較して約3290万人も減少したそうです。この減少数は2008年の中継(司会は政治ネタが得意なコメディアンのジョン・スチュアート)に次ぐワースト2位の記録となったようです。
政治的な話題が多いだろうと予想した映画ファンの中には、番組を敬遠した人も多かったのではないでしょうか。映画ファンはハリウッドに夢を見たいのだと思います
日本のファンにとってもいろいろと腑に落ちない点が多い、残念な授賞式になってしまいました。今は『ムーンライト』の公開を楽しみに待ちたいと思います。