アメリカ最大のスポーツ・イベント、スーパー・ボウルでは中継の合間に流れるお金のかかったCMが毎年話題になりますが、今年はいつもと違う理由で注目を集めているCMがあります。その背後にはまたしても「あの男」の影が…。（下の画像は試合会場となるテキサス州ヒューストンのNRGスタジアムです。） 
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桁違いのスーパーボウルの視聴率とスポンサー費用
アメリカ最大のスポーツ・イベント、スーパーボウル。昨年のテレビ中継の視聴率は49%、視聴者数はなんと約1億1000万人に達しました。アメリカ国民の実に２人に１人が中継を見ている計算になります。
この桁違いの視聴率を誇るスーパー・ボウルにコマーシャルを流せば宣伝効果抜群というわけです。 気になるスポンサー料ですが、３０秒５００万ドル・日本円で約５億６０００万円になるそうです。日本の場合、キー局のゴールデンタイムで、１週間当たり１５秒１５０万から５００万（参照：クラウドソーシング研究所）ということなので、もうこれは別次元の話ですね。
過去の話題作は？
過去のスーパー・ボールではどんなCMが流れたのでしょうか？比較的最近のものから、人気を集めたCMを厳選してご紹介します。
フォルクスワーゲン“ザ・フォース” (２０１１)
フォースを見つけようとする小さなダース・ベイダーを優しいお父さんがこっそりサポート。車のCMなのに、音楽もキャラクターもまるっきりスター・ウォーズという大胆な発想が功を奏しました。
アメリカでは『スター・ウォーズ』というとまっ先にこのCMを思い浮かべる人もいるらしいです。２００５年のエピソード３公開から８年後のCMなので、そういう皆さんがいたとしても不思議ではありませんが、いかにスーパー・ボウルの影響力が大きいかわかりますね。
ペプシ ”ウイ・ウィル・ロック・ユー”(２００４)
２０００年に公開された映画『グラディエイター』そっくりの、お金にものを言わせた”パワープレイCM”ですね。
バドワイザー”迷子の犬”（２０１５）
今年の話題作は？
それでは、一足早く今年のCMから話題の３作品をご紹介しましょう。
メルセデスAMG ”イージー・ドライバー”（２０１７）
出演しているのはピーター・フォンダ。ピーター・フォンダといえば映画『イージー・ライダー』です。BGMはステッペンウルフの「Born to be wiled」。監督はなんと映画『ファーゴ』『ノーカントリー』でおなじみコーエン兄弟です！さすがメルセデスAMG。お金がかかっています。
スキットルズ ”ロマンス”２０１７
バドワイザー”困難な道を行け”2017
ドイツから移民としてアメリカに渡ったブッシュに「国に帰れ！」と容赦なく罵声を浴びせかける人々。困難に負けず創業の地セントルイスにたどり着いたブッシュが、後に共同創業者となるエーベルハルト・アンハイザーと出会うところまでを描く、大作映画の予告編のようなCMです。
ところで、なんとこのCMを見て「アンチ・トランプだ！けしからん」と怒っているトランプ支持者がいるようです。(参照：Forbes）CMのメッセージは「移民がアメリカを偉大にした」というもので、これは暗にトランプの移民政策を批判している、という指摘です。
もうこれは明らかに被害妄想だと思います。トランプ大統領が打ち出した中東７か国からの一時的渡航禁止措置によって巻き起こった国際的な論争の中に、スーパー・ボウルのCMまでもが巻き込まれるとは…。
まとめ
今年のハーフタイムショーに出演するのはレディ・ガガ。すでにリハーサル映像も公開されています。
Hold on to your hats! Your first look #BTS of #PepsiHalftime as @RICHYSQUIRREL gets @LadyGaga‘s dancers ready to make us 🙀🙀🙀 Feb 5th! pic.twitter.com/NlteGrS7Wa
— Pepsi™ (@pepsi) 2017年1月18日
レディ・ガガは、トランプが大統領戦に勝利した１１月８日にはニューヨークのトランプ・タワーの前でデモンストレーションを行っただけに、アメリカ人の二人に一人が見るこのイベントで何らかの政治的な意思表示をするものと見られています。
トランプを批判したくなる気持ちも十分理解できますが、やはりスポーツ・イベントと政治は切り離すべきではないでしょうか。トランプ支持/不支持に関係なく、アメリカ国民もスーパー・ボウルの時ぐらいトランプを忘れたいと思うのですが。
