『野良犬トビーの愛すべき転生』待望の映画化!『A Dog’s Purpose(原題)』公開直前にかけられた「動物虐待疑惑」の真相

現在アメリカで公開中の映画『A Dog’s Purpose(邦題未定)』。アメリカのベストセラー小説『野良犬トビーの愛すべき転生』が原作のファンタジー・コメディ映画です。公開を心待ちにしていたアメリカのワンコ好きも多かった作品ですが、公開の1週間前に起きたある事件のせいで、予期せぬ形で話題の作品になってしまいました。

輪廻転生するワンコ物語

『A Dog’s Purpose』は何度も生まれ変わることができる犬が、それぞれの生涯で生まれてきた目的を探すという、これまでの動物映画とはひと味違うァンタジー・コメディ映画です。

監督はスゥエーデン人ラッセ・ハルストレム。1985年のアカデミー賞監督賞にノミネートされたスゥエーデン映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』、ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演した1993年の『ギルバート・グレイプ』、人気小説家ジョン・アーヴィング原作・脚本でトビー・マグワイアとシャーリーズ・セロンが共演した1999年の『サイダーハウス・ルール』などハート・ウォーミングな作風に定評がある監督です。

出演はブリット・ロバートソン(2015年の『トゥモローランド』でジョージ・クルーニーと共演)、デニス・クエイド、ジョシュ・ギャッド(2014年の『アナと雪の女王』のオラフ役)などの皆さんで、日本公開日などの詳細はまだ明らかになっていません。

公開目前に持ち上がった動物虐待疑惑

さて『A Dog’s Purpose』の全米公開まで残すところ1週間となった2017年1月19日、アメリカの有名人ゴシップサイト・TMZは『A Dog’s Purpose』の撮影現場で動物虐待の疑いがあるとして次のビデオを公開しました。

『A Dog’s Purpose』に出演する”アニマル・アクター”のうちの1頭であるジャーマン・シェパードのハーキュリーが、撮影用のプールに無理やり入れられている様子を撮影したものとされ、映画を制作したユニバーサル・スタジオはたちまち非難の集中砲火を浴びることになりました。

ユニバーサル・スタジオは直ちにそれらの疑惑を否定した上で、第三者機関による調査を約束するとともに、プレミア試写会や記者発表イベントの中止を決定します。公開日の2日前には、出演俳優のデニス・クエイドがテレビ出演し動物虐待の疑惑を重ねて否定しました。

ユニバーサル・スタジオ側が動物虐待疑惑をきっぱりと否定した背景には、映画会社として今回のような事態を事前に想定し、専門家を撮影現場に常に配置するなど動物虐待防止に相当力を入れてきたこと、そしてTMZが公開した映像が悪意を持って編集されたことが明らかだったことから、疑われたような事実が無い事を確信したためとされています。(参照:バーズ&アニマルズ・アンリミテッドWEBサイト

抗議の中で迎えた公開初日・気になる観客の反応は?

こうして迎えた1月27日。一部の劇場で動物保護団体PETAが抗議活動を実施するなど、物々しい雰囲気のなかで『A Dog’s Purpose』の一般公開が始まりました。

エンタメ情報誌バラエティーによると最初の週末の興行収入は、当初予想の2000万ドルを若干下回る1900万ドル。動物虐待疑惑の悪影響にも関わらず、まずまずのスタートを切ったようです。

プレミアム試写会が中止されたため批評家のレビューは今も出そろっていませんが、アメリカの映画レビュー専門サイト・Rotten Tomatoesの観客レビューでは5点満点で3.75、平均以上のスコアをつけた観客の割合が75%ということで、観客の反応はまずまずといったところでしょうか。ご参考までにいくつか観客のレビューをご紹介しましょう。

もしあなたが犬好きなら、これはあなたのための映画です。もしあなたが、政治や請求書、コンピュータによって複雑になり過ぎた生活から抜け出したいのなら、この映画は特にあなた向けの作品です。感傷的すぎるなんて文句を言っているレビューは無視していいです。これこそあなたに必要な映画なんです。 lorilcarey6

愛してる、愛してる、この映画愛してる。 悲しすぎない本当にいいストーリー。3人の10歳の男の子たちを連れて行ったんだけど、みんなこの映画を気に入ってた!観客も最後には拍手してたくらい。この映画はぜったい気に入ると思う、いや間違いない!Kim M

退屈。脚本が良くない。Sean G

とってもユニークで心温まる物語。批評家は明らかに的外れだと思う。  marcdz1

もし犬好きだったらこの映画で泣かないなんてことはないはず。批評家なんて気にすんな!あの馬鹿どもは、一般の人がどんな映画が見たいかなんてこれっぽっちも気にしちゃいないんだから。もう一回見に行くぞ!Trace N

レビュー欄の最初のほうからランダムに紹介しましたが、ご覧の通りかなりの高評価です。否定的な意見があまり見当たりませんでした。

主な意見としては「動物・犬好きにお勧め」「想像していたよりもよかった」「話がユニーク」という3つが多かったように思います。「特に後半が泣ける」らしく「ハンカチやティッシュを忘れないで」というアドバイスが多かった事を申し添えます。

気になる第三者機関による調査結果は?

ユニバーサル・スタジオが第三者機関に依頼していた調査結果が、現地時間2月4日に公表されました。

“A Dog’s Purpose”の撮影中に犬が苦しんでいる様子を見せようとしたビデオは、大衆を誤った方向に導き、怒りをたきつけることを目的として意図的に編集されたものだった。(翻訳引用元:CNN)

ということで、『A Dog’s Purpose』の撮影現場で動物虐待の事実はなかったということが正式に確認されたようです。

まとめ

予期せぬ批判にさらされたものの、まずまずの滑り出しを見せた『A Dog’s Purpose』。こういう映画は、国際市場に加えDVDやブルーレイのセールスも見込めるでしょうし、興行収入も良い結果を残すのではないでしょうか。

それにしてもあのビデオは一体何だったのでしょうか?ビデオを隠し撮りしてTMZに売りつけてお金儲けするにしても、すぐに犯行がばれてしまうのではないでしょうか。

また、動物モノ映画がいかに厳重に管理されて撮影されているか、内部の人間であれば知らないはずがないと思うのですが…。

謎は尽きませんが、ひとまずは良かったのではないでしょうか?日本公開が楽しみですね。


海外映画 ブログランキングへ

スポンサーリンク
336X280
336X280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事広告