【80年代の歌姫】シンディ・ローパー、「ホワイトハウスを吹き飛ばしたい」マドンナを優しく諭す

トランプ大統領就任式の翌日、2017年1月21日のWomen’s Marchで行った過激なスピーチについて釈明を余儀なくされたマドンナですが、1週間余りが経過した現在も保守派からの批判にさらされています。そんな騒動の中、マドンナを優しく諭したのは、80年代の音楽シーンを共にリードした「もう一人の歌姫」シンディ・ローパーでした。

「ホワイトハウスを吹き飛ばしたい」

問題になっているマドンナのスピーチですが、特に物議を醸しているのは以下の部分です。

ええ、私は怒ってるわ。ええ、私は激高している。ええ、私はホワイトハウスを吹き飛ばそうって思っているわ。でも、それがなんの変化ももたらさないことはわかっているの。(引用元:People.com

スピーチの翌日、マドンナは(本人曰く)『愛の革命』を訴えたスピーチの全文を聴けば、問題となっている箇所が比喩だとわかるはずだと主張しています。彼女の言い分も分からないでもありませんが、スピーチの他の部分でいわゆる”Fワード”を連発しテレビやラジオのライブ中継を打ち切らせるなど、スピーチ全体としても非難をまぬかれない内容でした。

この釈明の後も、マドンナの曲を放送禁止にするラジオ局があらわれたり、保守派の重鎮・ニュート・ギングリッチ元下院議長が「マドンナは逮捕されるべきだ」と発言するなど、事態が収束するするには今しばらく時間がかかりそうです。

冒頭で触れたシンディ・ローパーのコメントは、そうした騒動の中で発言されたものでした。彼女のコメントの詳細をご紹介する前に、ここで80年代の音楽シーンを牽引してきた二人の活躍について簡単に振り返ってみたいと思います。

80年代の音楽シーンをリードした2人のディーバ

『80年代の歌姫』と聞いてマドンナとシンディ・ローパーを思い浮かべる方も多いと思います。今も第一線で活躍中の「ポップの女王」マドンナはともかく、シンディ・ローパーをよくご存知無い方もいらっしゃるかもしれません。

この二人の関係は、その後の年代でたとえるとブリトニー・スピアーズとクリスティーナ・アギレラ、今の年代で言うとレディ・ガガとケイティ・ペリーの関係に近いと思います。

80年代にアメリカの音楽専門ケーブル・テレビ局MTVが登場してからは、音楽同様、ミュージック・ビデオの良し悪しがシングル曲のヒットを左右するようになりました。

マドンナの『ライク・ア・バージン』とシンディ・ローパーの『ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン』はMTVのヘビーローテーション曲となりいずれも大ヒットしたのです。

音楽シーンだけでなく、ファッションでも時代をリードしたマドンナとシンディ・ローパーでしたが、90年代以降には明暗が分かれました。

不滅のセックス・シンボルとマイペースな親日家

90年代に『セックス・シンボル』としての地位を不動のものとしたマドンナは、数々の映画にも出演し『史上最も成功した女性ボーカリスト』として第一線で活躍し続けました。セクシーでスキャンダラスなセルフ・イメージを巧みにコントロールし、常に話題を提供し続けてきた卓越したビジネス感覚を持つ偉大なアーティストです。。

一方、シンディ・ローパーは90年代以降はかつての勢いを失うものの、92年にはミュージカル『タイクーン』のサウンド・トラックからシングルカットされた「The World Is Stone」がヨーロッパを中心にヒットしたほか、いくつかの野外コンサートに出演するなど、根強い人気に支えられながらマイペースで音楽活動を続けてきました。

親日家としても知られ、『紅白歌合戦』、そして何と『オールスター爆笑ものまね紅白歌合戦!!』にも出演するなど大物アーティストとらしからぬ日本での活動が音楽ファンの話題になりました。阪神大震災、東北大震災の際には直後にチャリティ・コンサートを開いてくれるなど、日本にとって特別な存在感を持った愛すべきミュージシャンです。

シンディ・ローパーのマドンナに対する発言とは?

さて、そんな二人の歌姫も今や”アラウンド60”となったわけですが、マドンナの反トランプ・スピーチがきっかけとなり、久々に二人同時に注目を集めることになりました。

アメリカのケーブルテレビ局で放送されている『Watch What Happens Live with Andy Cohen』にロッド・スチュアート(!)と一緒に出演したシンディ・ローパーは、司会のアンディ・コーヘンにマドンナの問題発言について聞かれ、言葉を選びながら次のように答えています。

彼女が(Women’s March)に参加してくれてよかった。(マドンナに起きたことは)興奮したリ感情的になったりしている時によく起こることだと思う。それは私たちの目的に適ったものではなかった。

なぜなら怒りは(メッセージの)明瞭さや(話している人の)人間性に勝るものではないから。

また、シンディ・ローパーは「自分の経験を共有することで他者の心に変化をもたらすことができる」という自らの経験に基づく持論を披露したうえで、そうしたアプローチでスピーチしたスカーレット・ヨハンソンを褒めたたえました。

スカーレット・ヨハンソンのスピーチを見たけど、彼女は自分の物語を共有していた。明瞭だったしエレガントだった。

叫び声をあげても人を興奮させるだけで、人間性や人の心に変化をもたらす物語と心を通わせられないと思う。


(参照:billboard)

シンディ・ローパーの理知的で、諭すような話し方には心がこもっていて、マドンナに対するリスペクトが感じられました。シンディ・ローパーの話を頷いて聞いていた大御所ロッド・スチュアートの横顔も印象的です。(音楽ファンにとってはかなりエピックな映像です。)

まとめ

海外のメディアの中には、「シンディ・ローパーがマドンナを批判」などとセンセーショナルに報じているところもありますが、これこそ”フェイク・ニュース”。とんでもない間違いです。

80年代の歌姫の二人がいつしか同じステージに立つ日が来ること期待したいと思います。なお、懐かしのナンバーも聴き放題の二人の公式Youtubeチャンネルはこちらです。

マドンナ( Madonna  )シンディ・ローパー( CyndiLauperVEVO )

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